DeNA中畑清監督(59)が“鬼のキヨシ”となって、勝負の2年目に挑む。球団の仕事始めとなった7日、横浜市内の球団事務所を訪れ、全社員を前に「勝つことにこだわって、チーム一丸となって戦っていきたい。この邪魔をする選手がいたら切ります」と宣言。勝利に執着した厳しい姿勢で臨むことを誓った。

 昨年12月5日に他界した妻仁美さん(享年59)の葬儀・告別式後、初めて立った公の場。あいさつの冒頭では「やっと皆さんの前に立てて、自分の中でも新たな力が湧いてきています」と、悲しみを乗り越えて戦っていく決意を伝えた。そして「この世界は勝たないといけない。それがなければファンも喜んでくれない」と力を込めた。

 そのために“鬼”になる。5年連続最下位という屈辱から脱し、目標のCS進出を果たすにはチーム一丸となることが不可欠。その妨げとなる選手は容赦なく2軍へ落とす。「己のことしか考えない選手は切らざるを得ない。その姿が見えたら、話し合いもせず、その場で切る」。「ラミレスだって戦力としてマイナスになれば切るよ」。主砲といえども課題の守備や走塁に全力で取り組む姿がなければ起用しない。

 勝利へのイメージ作りは進んでいる。「石川には1番で引っ張ってもらいたい。ブランコにはどっしり4番に座ってもらいたい」。就任1年目の昨季はコミュニケーションを重視してきたが、今季は恩情を捨て、「切る勇気を持つ」ことを自分に課し、目標へ突き進む。【佐竹実】