楽天の来季監督に、大久保博元2軍監督(47)が就任することが決まった。近日中に発表される。三木谷浩史オーナー(49)が10日、海外業務から帰国。チームを託す方針を固めた。14日からの秋季練習は、大久保新監督のもとスタートを切ることができそうだ。

 決定までに時間を要すのも無理はなかった。辞任した星野監督はカリスマであり、後任は大きなエネルギーが必要。候補者に対し、あらゆる角度から検討を重ねる必要があった。加えて、田中がヤンキースに移籍したチームは過渡期にある。伸び盛りの選手たちをビルドアップしながら巻き返しを図るには、1、2軍の戦力を熟知する人物が最適、との判断があった。

 豪快なイメージがあるが、綿密な野球を信条としている。人体の仕組みやトレーニング理論に知識が深く、練習法に生かす。データの解析力も卓越している。代行を務めた17試合で16盗塁。根拠に裏打ちされた企画と成功率だった。楽天のデータ集積力は球界トップクラス。数字を読み解き、グラウンドで表現できる能力を高く評価したとみられる。情熱と頭脳でチームを再建する。