オープン戦開幕投手は俺だ!!

 広島の福井優也投手(27)が15日、2度目の紅白戦で3回1安打無失点の好投を演じた。11日の紅白戦に続く無失点投球。フリー打撃から安定した投球を続ける右腕の評価は右肩上がり。緒方体制初のオープン戦となる21日巨人戦(沖縄セルラー那覇)の先発が決定的となった。

 福井の正念場はいきなり訪れた。1回、先頭鈴木誠に三塁へゴロを打たせるも小窪が悪送球。無死二塁のピンチを背負った。ここからが福井の見せ場だ。低めに制球して丸、エルドレッドら後続を断った。2回は無死一塁からはクイックモーションで一塁走者堂林の盗塁阻止に貢献。その後は危なげない投球で実戦登板の投手陣最長の3回を1安打無失点で終えた。

 昨年までの不安定さはかけらもない。先発ローテ枠に食い込めるか。完全復活をかける福井が首脳陣のハートをガッチリつかんだ。緒方監督からも「良かった。ナイスピッチング」と称賛された。21日から始まるオープン戦の巨人戦で背番号11が先発マウンドに上がることになりそうだ。

 力強い直球を持ちながら、力む悪癖からリリースが一定せずに伸び悩んだ。11年に8勝を挙げてから成績は下降。13年は中継ぎに配置転換され、0勝に終わった。開幕を2軍で迎えた昨季、左手で球の出所を隠し、力を抜くフォームを追求。毎日のように映像でフォームをチェックした。シーズン終盤に昇格し、4勝を挙げるなど兆しは見えた。今キャンプでは「固まりつつある」と、映像での確認はしていない。フォームの安定と自信が、落ち着きと好結果につながっている。

 先発は前田と黒田が確実。ジョンソンと大瀬良、野村も有力視される。残された先発枠は1つしかない。オープン戦開幕投手は、この上ないアピールの場となりそうだ。「そこを意識してやって来た。いつも通りやって結果を出したい」。セ界の覇者を相手に結果を残せば、一気に開幕ローテーションに近づくはずだ。【前原淳】