WBCブラジル代表が精をつけて、今日2日の日本戦に挑む。開幕戦を翌日に控えた1日、福岡工大の室内練習場で全体練習を行った。そこに現れた1人の来客が、サンバのリズムを最高潮に高めた。左手にぶら下げた白い紙袋には「うなぎパイ」の文字。「これはお土産です。頑張ってほしいので」。流ちょうな日本語で話すのはフェリペ・ナテル投手。社会人チーム・ヤマハ所属の23歳右腕だ。

 ブラジル代表関係者によれば、当初は最速149キロの速球を武器に代表入りを確実視されていた逸材。肘を骨折してWBC行きを逃すも、どうしても仲間に直接エールを送りたかったようだ。野球部グラウンドがある静岡県から遠路はるばる福岡へ。静岡・浜名湖の名産、「夜のお菓子」うなぎパイに思いを込めた。

 仲間の友情を受け止め、日本戦に先発する右腕フェルナンデスは気合十分。「日本戦を任されて、うれしい。すごい打者ばかりだけど、思い切ってやりたい」。09年からヤクルト所属。日本打者の特徴は熟知しており、侍ジャパンにとって難敵になりそうだ。

 ラーキン監督は2時間練習のうち40分間を選手への大演説に費やした。「メンタル面の話をした。ブラジルはコミュニケーションが重要だから」。メジャー最高峰の遊撃手として殿堂入りした指揮官から勝者のメンタリティーをたたき込まれ、金星奪取へ準備は万端だ。同監督は阿部の右膝違和感について「ケガは覚悟の上で準備しているはず。チームが変わることはないと思う」と冷静に分析し、「準備はしっかりできた。いい試合になると思う」。うなぎパイで一致団結したチーム力に、自信をみなぎらせた。【佐井陽介】

 ◆うなぎパイが「夜のお菓子」と命名された理由

 製造・販売する春華堂(本社・浜松市)のホームページによると、家族の夜のだんらんを「うなぎパイ」を囲んですごしてもらいたいとの理由で命名された。ただ、同HPには「違う解釈もして買っていく方も多いようです」と記されている。