角界でもインフルエンザが猛威を振るい始めた。10日目は十両鏡桜が発症し、休場した。関取は安美錦、御嶽海に続き3人目。加えて幕内格行司の木村元基と式守錦太夫らもかかった。

 1場所でここまで関取の休場者が出るのは初めて。相撲協会の資料をひもとくと、休場理由に「インフルエンザ」が載った関取は昨年初場所の千代鳳と09年九州場所の山本山がいる。そして、その前は誰あろう、68年初場所の大鵬だった。当時の理由は「高血圧」と「インフルエンザ性気管支炎」。これが最初のインフルエンザでの休場だった。

 では、その間、場所中に発症した関取はいなかったのか。八角理事長(元横綱北勝海)は「そんなんで休んじゃダメだと言われていた時代。体調管理が悪い、と怒られていたからね」。

 時代は今、休むことが当然。東西の支度部屋には力士が多く控え、まん延が怖い。うがい、手洗いだけでなく「睡眠が大事」とは玉ノ井親方(元大関栃東)。「疲れて免疫力が下がると、うつりやすい。10日目以降は疲れが出るとき。強い力士もかかるかもしれない」。よもや優勝争いがインフルエンザに左右されなければいいが。【今村健人】