<プロボクシング:WBC世界ライト級タイトルマッチ12回戦>◇25日(日本時間26日)◇メキシコ・コスメルコンベンションセンター

 挑戦者の同級11位佐々木基樹(帝拳)が完全燃焼できぬまま、日本人最高齢(35歳7カ月)での世界王座奪取に失敗した。3階級を制覇した同級王者ウンベルト・ソト(31=メキシコ)を、初回から意表を突くラッシュで崩しにかかったが、5回に左アッパーを浴びてダウン。途中経過の採点が王者を支持していたため、10回は逆転KOを狙いに攻めたが、バッティングで減点1も受けた。

 11回、佐々木が再び走り込んでの右拳を繰り出した直後、体勢を崩した2人のひざがぶつかり、ソトだけがスリップ。右太ももを痛め、試合続行が不可能となった。偶然のアクシデントと判断され、佐々木は11回1分18秒、0-3の負傷判定で敗れた。不本意な幕切れに佐々木は「効いたパンチもなかった。スタミナも自分で驚くほど残っていた。王者がバテはじめているのに気づいたが、攻めきれなかった」と悔やんだ。引退覚悟で臨んだ世界戦だが、帝拳ジムの本田明彦会長は「打ちのめされた感じはないし『やりたい』というかも。アクシデントだったがポイント差があったので負傷判定は仕方ない」と話した。