元GHCヘビー級王者小橋建太(45)が8日、揺れる胸中を明かした。今日9日のノア東京・両国国技館大会で、リング上からファンに向けてのメッセージが注目される。今年いっぱいでのノア退団が報じられ、今後の選手生活についてさまざまな情報が飛び交う中「明日、全て話す」とコメントした。両国大会でのリング登場に備え、東京・有明のノア道場で約2時間半のトレーニングでコンディションを整えた。

 沈黙を守っている間も、小橋は日課のトレーニングを続けていた。この日、みっちりトレーニングで汗をかいた小橋は「体は、ちゃんと作っていますよ。細くなっちゃっていると、リングに上がったとき、ファンがガッカリしちゃいますからね。服を着ていてもね」と、言うといつもの優しそうな笑顔を見せた。

 今日9日にはリングに上がるが、左脛骨(けいこつ)骨折などの重傷を負った2月19日の仙台ALL

 TOGETHER以来、294日ぶりのリングインとなる。解雇、退団、引退などが取り沙汰されている中、常にファン第一を貫いてきた小橋らしく、リング上から自分自身の声で、直接ファンに伝えることを決めた。「明日、全て話すから」と、すまなそうな表情を浮かべて、その先は口をつぐんだ。今後のスケジュールについても「まだ、何も決まっていない」と、未定であることを明言した。

 退団騒動が起こるまで、小橋は復帰を目指して無心にトレーニングに励んできた。昨年7月23日には、苦しんできた右肘部管(ちゅうぶかん)症候群から1年7カ月ぶりに復帰した。「戻って来られたのはうれしい」と喜びを語っていたが、それ以上に小橋が手応えを感じていたのは、06年7月の腎臓がん手術から治癒のめどとされる術後5年をクリアしたことだった。「内臓は、もう大丈夫。これからは気にせずにトレーニングに打ち込み、もっと上がっていく」と決意を語っていた。

 完全復帰へ、順調に歩んできたが、2月のけがにより、復帰計画の大幅変更を余儀なくされていた。それでも、膝に装具をつけたまま、毎日のように道場に通い汗を流してきた。

 この日も、ゆっくりだがスムーズに3階の道場まで、階段で上り下りした。現在、45歳。現役として残された時間は多くない。それでもレスラーとしてリングに復活することを最優先にして日々を送ってきた。足は、まだ治っていない。だが、小橋建太ならではのビルドアップされた体で国技館のファンの前に立ち、自分の言葉でこれからの道のりを語る。【小谷野俊哉】

 ◆小橋建太(こばし・けんた)1967年(昭42)3月27日生まれ、京都府福知山市出身。87年に全日本入門。88年2月デビュー。96年初の3冠ヘビー級王座獲得。00年ノア旗揚げ参加。03年GHCヘビー級王座獲得、13度の防衛に成功。10年10月、演歌歌手みずき舞と結婚。得意技は剛腕ラリアット、逆水平チョップ、ハーフネルソンスープレックス。186センチ、115キロ。