<プロボクシング:WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦>◇12月31日◇東京・大田区総合体育館

 WBC世界同級王者・三浦隆司(29=帝拳)は9回TKO勝ちで2度目の防衛に成功した。

 三浦の左ボディーが、初回から脇腹、みぞおちに何十発もめり込む。弱り切った同級2位ダンテ・ハルドン(25=メキシコ)に連打で5回にダウンを奪う。仕留めたのは9回。連打でマウスピースを飛ばしてうずくまらせ、即座にレフェリーストップとなった。

 長身でボディーは狙いやすく、後半失速させる作戦通り。「初回でいいのを当てて効果的と。相手も亀になっていた。もう少し早く終わらせたかったけど」。8回までの採点は3者フルマークの完勝だった。

 リングで抱き上げた長男武元(たけはる)君(2)が「ボンバー!」と叫んだ。12年の世界前哨戦で初めてリングに上げた時は大泣き。「自分からリングで言うって。やらせじゃない」。秋田と離れて暮らす息子の祝福に、三浦の目尻が下がった。

 実は絶不調だった。3週間前の12回スパーリング。ジム恒例の仕上げのピークも、三浦は攻められっぱなしで手も出ない。本田会長は7回でストップさせた。その後もスパーを2回飛ばし、最長は8回止まり。それでも左の威力で防衛を勝ち取った。

 初防衛戦は指名でないが1位と敵地、今回も2位と強敵が続く。最大の目標は内山に雪辱で団体統一。本田会長は「指名試合がなければいつでも。きつい相手続きで生き残ったが、この出来では勝てない。まあまず休んで」と言った。

 三浦は内山戦をしっかり見届けた。「やる時が来ればもちろん。さらに充実した年にしたい」。決戦の時を待つ。【河合香】