年間最多勝なら横綱の資格あり!? 大相撲九州場所(13日初日、福岡国際センター)に向けて二所ノ関一門の連合稽古が4日、福岡県春日市の尾車部屋で行われた。大関稀勢の里(30=田子ノ浦)は大関琴奨菊、平幕嘉風と21番取って17勝し「いい感覚でのびのびできた」と満足そうだった。

 現在57勝で、日馬富士に1差をつけてトップに立つ年間最多勝争い。年6場所制が定着した58年以降、58回延べ60人は全員その年に優勝している。仮に稀勢の里が九州でも優勝できずに獲得したら、初めての出来事。事業部長も務める尾車親方(元大関琴風)は「3横綱がいて1年を通して一番勝っているのだから十分、綱の力はあると言える。これを評価するのも大事じゃないかな。規約があるからダメだけど、議論があってもいい」と話した。

 賜杯こそ逃し続けても、安定感抜群だからこそ起こり得る珍事。もちろん、稀勢の里は初優勝を見据えており「いい状態でやっていきたい」と静かに話した。