<第5回AKB48選抜総選挙>◇8日◇日産スタジアム

 SKE48の誇るダブル松井が「神7(セブン)崩し」を成し遂げた。松井珠理奈(16)は6位、松井玲奈(21)も7位と、ともに前年から3つずつランクアップ。小嶋陽菜、高橋みなみら選抜上位の常連を上回った。「神7」と呼ばれる上位7位に、姉妹グループのメンバーとして入ったのは初めて。ほかに須田亜香里(21)が16位に入り、ダブル松井以外ではSKE48から初めて、総選挙選抜入りを果たした。

 SKE48のダブルエースが初めて「神々の領域」へたどり着いた。玲奈が7位、珠理奈が6位に。時代が変わる予感に7万人が沸き立った。

 「7位」はともに意識してきた数字。壇上では偶然にも「握手会で『ファンの方がずっと7位以内に入ろうね』って言って下さった」と口をそろえた。歴史をつくってきた先輩7人の壁は高く分厚かった。珠理奈は「世代交代というけれど、やっぱり先輩たちは見ていてすごい」。

 玲奈には昨年までファンの寂しそうな表情が浮かんだ。「毎年(8位以下で)呼ばれるとファンの方が『ごめんね』と言ってくるんです。表情がフラッシュバックしてきた」。「神7」を期待する声はトラウマだった。だからこそ気持ちを強く持ち、「今年は全員をぶった切る」と宣言した。

 珠理奈にとって闘志をかき立てられる出来事があった。篠田麻里子(27)が昨年「つぶすつもりで来て下さい」と発言。姉のように慕う先輩の刺激的な言葉に奮い立った。「来年、総選挙があるのなら…神7入りを目指したい。今まで自分の中では一生懸命やってきたつもりでした。でもそれ(篠田の発言)を聞いて…まだできるんじゃないかって」。筆無精だが、選挙後すぐブログに上げたことから決意の強さが伝わった。

 今年春のコンサートでは9人が卒業し、SKE48も第2章へ突入した。玲奈は「(出演する)テレビを見る側ではなく、出る側にメンバーを連れて行きたい」という思いでグループ内の意識改革を図った。珠理奈は自分のポジションに研究生の抜てきを提案するなど今までにないチームづくりを考えるようになった。

 ともに昨年から3つずつ順位を上げ、同時に神7入り。これも運命なのか。2人の松井は、これからも切磋琢磨(せっさたくま)しながら、グループをさらなる高みへ押し上げる。【森本隆】