2009年に大ヒットしたジェームズ・キャメロン監督の映画「アバター」が、大人気サーカス集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」とコラボした新しいショー「トゥルーク」が、このほどロサンゼルスで上演されました。シルク・ドゥ・ソレイユは、ラスベガスでの常設公演などでもおなじみのカナダ・モントリオール生まれのサーカス集団。日本でもファンが多く、鍛え抜かれたサーカスの技とストーリー性のあるミュージカルのような高い芸術性を融合させた舞台が魅力です。そんなシルク・ドゥ・ソレイユが、「アバター」からインスパイアされたショーは、2015年12月にモントリオールでお披露目され、この秋からカリフォルニアツアーも行っています。

 タイトルにもなっている「トゥルーク」は劇中に登場する赤とオレンジ色の巨大な羽を持つ翼竜のことで、ナヴィ族などショーに登場する生物の造形や世界感は映画を基にしています。しかしキャラクターやストーリーは完全なオリジナルなので、映画を見てない人でも充分楽しめます。惑星パンドラには「ナヴィ」と呼ばれる青い肌の民族が暮らし、トゥルークに乗ることができるナヴィは「トゥルーク・マクト」と呼ばれて部族を一つにまとめることができるという伝説がありました。最初のトゥルーク・マクトになるべく、冒険の旅に出る兄弟が主人公の物語は、「アバター」の圧倒的な世界を見事に舞台で再現しており、映画のファンも楽しめるショーになっています。

 なんといっても圧巻なのは舞台装置。本物かと錯覚するほど精巧なプロジェクションマッピングによって作り出された地震の揺れ、溶岩、川の流れ、滝、氷河などの舞台装置に、目を奪われます。映画同様に観客を神秘的なパンドラの世界へと導いてくれる演出も素晴らしく、他のショーよりもサーカス的な様子は少なめですが、その分ストーリー性を持ったミュージカルのような舞台でアバターの世界の一員になった気分で楽しめます。来年には中国公演を予定しており、近い将来は日本での上演もあるかもと期待されているようです。

 映画版の「アバター」は、2018年に続編が公開されることが決まっており、その後は「アバター3」が2020年、「アバター4」が2022年、そして翌年の「アバター5」まで続く壮大な5部作になることをキャメロン監督は明かしています。続編ではパンドラの他に水中でのシーンが盛り込まれているといわれていますが、ストーリーなど詳細は一切明かされていません。こちらも続編を待ち望むファンたちの間では、期待が大きくなっています。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)