JR九州は25日、今夏から運行する新しい観光列車の名前を「或(あ)る列車」と発表した。100年以上前に造られた幻の豪華列車の通称とデザインを受け継いだ。ケーキなどのスイーツが楽しめ、夏に大分―日田間、秋以降は佐世保―長崎間を1日1往復。金曜、土曜、休日を中心に運行する。料金は1人2万円から。

 2両編成で定員は38人。ミシュラン二つ星レストラン「NARISAWA」(東京)のオーナーシェフ、成沢由浩さんが考案したメニューを提供する。青柳俊彦社長は「車内にいるだけでもわくわくしていただけると思う」と述べた。

 今回モデルとなった列車は九州初の鉄道会社、九州鉄道が1906年に米国メーカーに発注して造られたが、一度も営業運転されずに廃車となった。鉄道ファンの間では「或る列車」と呼ばれている。

 外観デザインは原鉄道模型博物館(横浜市)に展示されている模型を手本にし、金色で唐草模様をあしらった。車内は木を多用し、1号車はテーブル席、2号車は個室を設置する。