V6岡田准一(34)が、百田尚樹氏著のベストセラー小説「海賊とよばれた男」(来年冬公開予定)の初映画化作品に主演することが4日、分かった。山崎貴監督(51)を筆頭に、岡田が主演し興収87・6億円、今年3月の第38回日本アカデミー賞11冠を獲得した映画「永遠の0」チームが再集結し“前作超え”を狙う。

 累計発行部数364万部を超えるベストセラー小説が、14年の邦画興収1位の大ヒットを記録した「永遠の0」チームで実写映画化される。今年に入って依頼を受けたという岡田は「正直驚きましたが、山崎監督が『共に戦おう』とおっしゃってくださった。『永遠の0』チームで再び撮影できることを大変うれしく思います」と快諾した。

 明治から昭和の激動の時代に、国内外の圧力に屈せず、石油事業にまい進した国岡鉄造の物語だ。岡田演じる主人公・国岡は、豪快な人柄で辣腕(らつわん)をふるう経営者でありながら、従業員ら仲間を家族のように包み込む熱さを持った人物。劇中では、「海賊」と呼ばれた20代から、数々の困難を乗り越えた老年期までが幅広く描かれるといい、山崎監督は「1人の役者で若い時代から壮年までを通したいと思った。それを実現できるのは岡田君しかいないと思いました」と明かす。

 岡田も「国岡のように、数々の苦難を乗り越え、道を切り開いていく姿を体現できたらと思っています。激動の時代を生き抜いた人物をしっかりと演じられるように頑張ります」と意気込む中、すでに10月中旬から国内で撮影がスタート。岡田は博多弁を特訓し、さまざまな重圧をも振り払うかのように、「負けられないんじゃよ」と現場を鼓舞しながら、リーダーシップを取っているという。

 空襲で廃墟になる東京の姿、イランへ向かう大型タンカーなど描くスケールの大きさも、山崎監督が得意とするVFX(特殊視覚効果)など最先端の技術を駆使して表現する。規模や製作日数も山崎チームでは過去最大のものになるという。佐藤貴博プロデューサー(45)は「歴史を作っていこうと再集結してくれた。あらゆる部分で『永遠の0』を超えたい」と力を込めた。

 ◆海賊とよばれた男 12年7月発売の百田尚樹氏著の歴史小説。単行本、文庫含めて上下巻累計発行部数が364万部を突破。13年度第10回本屋大賞。石油事業に情熱を持ち続け、絆(きずな)を大事にした国岡鉄造の生涯と、国岡商店の大企業への成長を描いている。

 ◆映画「永遠の0」 百田尚樹氏の小説が原作。山崎貴監督で13年12月公開。「生きて、必ず生きて帰る。妻のそばへ、娘の元へ」と約束した零戦パイロット宮部久蔵(岡田准一)の足跡をたどる。14年邦画興収1位。今年3月の第38回日本アカデミー賞で、最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞など11冠。