13年4月に公開された人気漫画「究極!! 変態仮面」の実写版映画「HK/変態仮面」が、5月14日に「HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス」(福田雄一監督)として続編が公開されることが22日、分かった。主演の鈴木亮平(32)を筆頭に、ヒロイン役の清水富美加(21)ムロツヨシ(40)ら、前作後にブレークした俳優陣が再集結。柳楽優弥(25)ら新キャストを迎え、豪華な顔触れで連続ヒットを狙う。

 ほぼ全裸で、顔にはパンティー。インパクト十分な「ド変態」鈴木が戻ってくる。原作は92~93年に「週刊少年ジャンプ」で連載された珍作。鈴木演じる主人公の高校生・色丞(しきじょう)狂介がパンティーをかぶるとヒーローに変身し、悪と戦うぶっ飛んだ設定でマニアの支持を得た。今回は狂介が大学生になったある日、世界中からパンティーが消えるという珍事件に挑む。

 まさかの大反響を受けての続編決定だった。前作は公開わずか12館から始まり、興行収入2億円、動員13万人を記録。世界13カ国で公開された。この規模の作品としては空前のヒットに、福田監督、鈴木らが「続編の撮影はニューヨークで」と再集結を決意した。

 鈴木は前作で筋骨隆々の体を披露。15年4月期のTBS系ドラマ「天皇の料理番」では激やせボディーを見せるなど“肉体派”俳優として活躍している。今作も昨年8月の撮影現場に筋トレ用テントを用意、新必殺技の練習のため社交ダンスを習得した。「アメリカのヒーローと並んでもひけを取らない世界標準の体を目指した」と胸を張る。

 鈴木だけじゃない。清水はNHK「まれ」に出演。ムロもTBS系「悪党たちは千里を走る」で主演を務めた。前作後にブレークした俳優陣が「変態」の名のもとに、サケの母川回帰のごとく戻ってきた。さらに柳楽、水崎綾女ら新キャストも豪華。福田監督は「朝ドラに出ても、ゴールデンに出ても、映画で主役をやっても、変態仮面をやりたいというバカな役者たちは存在した」と喜んだ。

 ヒットを受けても、製作費は前作から据え置き。ニューヨークロケは、製作費の都合で実現せず、鈴木がニューヨークを見下ろすポスター画像もCG処理になった。「3部作構想がある」という福田監督の夢を実現するため、続編でさらなるヒットを狙う。

 ◆「HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス」 ドMの刑事とSM女王の間に生まれた色丞狂介(鈴木)は、思いを寄せる姫野愛子(清水)のパンティーをかぶるとヒーローに変身する能力で、悪と戦っていた。一方で、同級生の真琴正(柳楽)は、複雑な思いを抱える愛子を無意識に傷つける狂介へ憎悪を募らせていく。ある日、世界からパンティーが消えるという事件が起きる。