英ロックバンドのレッド・ツェッペリンが、同バンドの名曲「天国への階段」の前奏部分が盗作であるとして訴えられていた著作権裁判で、ロサンゼルスの裁判所は米国時間の23日、盗作ではないとの判決を下した。ニューヨーク・デイリー・ニューズ紙が報じたもの。

 同裁判では、米サイケデリック・バンド「スピリット」のギタリストだった故ランディ・ウルフ氏の遺産管財人が、1971年の大ヒット曲「天国の階段」の前奏部分は、同氏が1967年に作曲した「Taurus」から盗んだものとして訴えるとともに、作曲者としてのクレジット、および収益の分配を求めていた。

 米地方裁判所で6日間にわたり行われた裁判には、1980年に解散したツェッペリンのヴォーカルのロバート・プラント(67)とギタリストのジミー・ペイジ(72)が出廷した。

 スピリット側は、ツェッペリンの前座を務めたこともあり、コンサートで「Taurus」を演奏したことがあると主張。同曲を作曲したペイジは宣誓供述の中で、「”Taurus”という曲を聴いたことがないし、思い出すことも出来ない。スピリットと一緒に演奏した記憶もないし、覚えてない」と語った。

 裁判では、両バンドからのミュージシャンたちがギターとピアノの演奏を行ったが、ツェッペリン側は、「コード進行が似ているだけであり、よくあること」と主張し、陪審団も全員一致でこれに同意したようだ。スピリット側の弁護士は判決後の記者会見で、「正義が尽くされなかったと感じている」と不満を露にした。 

 「天国への階段」が収録されているツェッペリンのアルバム「Led Zeppelin IV」は、計2300万枚以上を売り上げたベストセラー。その印税は総額6億ドル(約660億円)におよぶと見積もられている。(ニューヨーク=鹿目直子)