芸能界を引退した上岡龍太郎さんに師事したお笑い芸人、テントさん(65=本名・三浦得生、大阪府八尾市)が27日午後10時50分ごろ、大阪市内の病院で亡くなった。65歳だった。

 テントさんは同日午後7時50分ごろ、大阪市天王寺区生玉前町の交差点で、乗用車にはねられ、病院へ運ばれたが、搬送先の病院で亡くなった。

 天王寺署によると、現場は市営地下鉄谷町九丁目駅の上にある交差点。横断歩道を渡っていたテントさんが、走ってきた車にはねられた。同署が詳しい状況を調べている。

 また、所属の吉本興業によると、テントさんは交差点を横断中に、右折してきた44歳の会社員が運転する乗用車にはねられ、自動車は前面フロントガラスが破損。テントさんは頭部を強打したとみられ、搬送先の病院へ到着した時点では、すでに心肺停止の状態だったという。

 テントさんは1981年の第12回NHK上方漫才コンテストで優秀賞を受賞した。上岡龍太郎さんに師事。上岡さんからは「出てくるのが10年早かった」などと、その才能を絶賛され、自分をパチンコ台に見立てて手をぐるぐる回転させる「人間パチンコ」など、一風変わった芸で人気を集めた。

 めったに姿を見せないことから「ツチノコ芸人」とも呼ばれた。

 近年はたまに舞台出演をするほか、上岡さんの息子で映画監督の小林聖太郎氏の作品に出演。来月、開催される「京都国際映画祭」でも上演予定の「かぞくのひけつ」(06年)などに出演していた。

 葬儀・告別式など、詳細は未定。