プレーバック日刊スポーツ! 過去の11月22日付紙面を振り返ります。2004年の30面(東京版)は声優大山のぶ代がアニメ「ドラえもん」降板を伝えています。

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 テレビ朝日の人気アニメ「ドラえもん」(金曜午後7時)で、25年間ドラえもんの声を務めてきた大山のぶ代(68)ら主な声の出演者5人が来年3月で降板し、若手と交代することが21日、分かった。大山は「テレビ放送から25年がすぎ、ちょうど良い交代の時期。遠い未来までずっとずっとみんなに愛される『ドラえもん』であってほしい」と話す。

 テレビ朝日側は今春、79年のシリーズ放送開始から出ている大山、のび太役の小原乃梨子(69)しずか役の野村道子(66)ジャイアン役のたてかべ和也(70)スネ夫役の肝付兼太(きもつき・かねた=69)の5人と協議を開始。25周年の区切りや高齢化などを理由に、声優の一新を決めた。後任は検討中。来年3月分までは現出演者で収録し、4月分から新声優陣に代わる。

 5人は第1回から同じ役を担当し、常時2ケタの視聴率を取る同局の看板アニメに育てた。80年からは劇場版映画25本にも出演。特にドラえもんの大山は、名せりふ「ぼく、ドラえもん」をアドリブで生みだし、原作の故藤子・F・不二雄氏が「ドラえもんはこういう声だったんですね」と認めるほどのはまり役だった。

 小原は「5人の平均年齢は60代後半。後輩にきれいにバトンタッチしましょう、とみんなで決めました」と明かす。25年の歴史を振り返って、5人は一様に「長いようで、あっという間だった」と話した。

 ◆大山のぶ代(おおやま・のぶよ)本名・山下羨代(のぶよ)。1936年(昭11)10月16日、東京都生まれ。都立三田高在学中に俳優座養成所6期生になる。卒業後、テレビドラマに出演する一方、ハスキーボイスを買われ、NHKの人形劇「ブーフーウー」に声優として出演。「サザエさん」の初代カツオ役でも知られる。夫はタレント砂川啓介。

 【「ドラえもん」アラカルト】

 ▼連載 69年12月発売の「小学一年生」など子供向け月刊誌(小学館)で連載開始。コミックは全45巻で1344話。計約7500万部の売り上げを記録。

 ▼テレビアニメ 73年4月から日本テレビでアニメ化されたが半年間で終了。ドラえもんの声は冨田耕生、野沢雅子。現在のび太の声を担当する小原乃梨子がのび太のママ役を。現在スネ夫担当の肝付兼太もジャイアン役を担当していた。79年4月から、テレビ朝日で月〜金曜日午後6時50分開始の10分番組と、日曜午前8時30分開始の30分番組が開始。81年10月から30分番組の放送が金曜午後7時に。10分間の帯番組は81年9月に終了。80年から大みそかにスペシャル番組を放送。現在、海外30カ国でも放送。

 ▼映画 80年から毎春休みに劇場版公開。25作で計約7800万人を動員。05年春の新作公開は見送られることが決まっている。

 ▼誕生 ドラえもんは、2112年9月3日生まれの設定。