ノーベル文学賞の今年の受賞者に決まった米シンガー・ソングライター、ボブ・ディランが、12月10日にスウェーデン・ストックホルムで開かれる授賞式を欠席することが16日、分かった。選考主体のスウェーデン・アカデミーが明らかにした。

 アカデミーによると、ディランから「前から決まっている用事があり、12月はストックホルムに行けない」との手紙が15日に届いた。ディランは授与決定に「名誉なことだ」と改めて謝意を示し、「賞を直接受け取れれば良かった」と欠席を残念がったという。

 ディランは10月13日の授与発表後、10日以上沈黙した末に賞を受け入れる意向を表明。英紙のインタビューに「可能なら授賞式に出る」との考えを示していた。欠席理由に挙げた「用事」が何かは明らかでない。

 ディランは授賞式に先立ち12月7日に予定されていた恒例の記念講演も欠席する。講演は受賞者の義務で、欠席した場合は半年以内に行う必要があり、アカデミーは「楽しみにしている」と述べた。

 ノーベル文学賞を巡っては、英劇作家ハロルド・ピンター氏(2005年)、英作家ドリス・レッシング氏(07年)らが健康問題などを理由に授賞式や講演を欠席、代理出席や講演の代読で対応した。