年末の風物詩、「現代用語の基礎知識選 2016ユーキャン新語・流行語大賞」が1日、都内で発表され、「神ってる」が年間大賞に選ばれた。それを受けて表彰式後、受賞した広島鈴木誠也外野手(22)が報道各社の受賞インタビューに応じ「神ってる」からの卒業を目標に掲げた。

 鈴木はインタビューの中で「苦しかったシーズンではあったんですけど『神ってる』をきっかけに飛躍できました。でも、やっぱり結果を残す度に『神ってる』『神ってる』と言われているのが、ちょっと僕の中では悲しい部分もあった。『神ってる』と言われないように、自分の実力でしっかり結果を残していきたい」と力を込めた。

 年間大賞に選ばれた率直な感想を聞かれると「もう…本当に一生、取ることができるか分からない賞なので、うれしい。僕が言った言葉ではないので(大賞受賞は)あまり考えていなかったですけど」と、やや緊張の面持ちで語った。

 この日、緒方孝市監督(47)は広島空港から優勝記念旅行に向かったが、鈴木は別便で発表・表彰式に駆けつけていた。欠席した緒方監督から、最初に「神ってる」と言われた時の感想を聞かれると「今まで、褒められたことがなかったので、初めて『神ってる』と言われた時に、褒め言葉だと思ったので、うれしかったです」と笑みを浮かべた。緒方監督へのメッセージを求められると「『神ってる』という言葉で、僕のことを推してくださった方は数多くいると思う。本当に感謝しています」と感謝した。

 14年には「カープ女子」がトップテンに選ばれており、広島の人気の高まりを感じているかと質問が飛んだ。鈴木は「毎年、毎年、球場に行くと数多くのファンの方が来てくださる。他球場でも、僕が見ている限りの中でも数多くのファンが(足を運んでいるのが)分かる。本当に力になっている」と語った。昨年の「トリプルスリー」に続き、2年連続で野球界の名言が大賞に輝いたことについては「最近、野球人気が、どんどん落ちていっていると、ちらほら聞く、もっと、もっと数多くの人が興味を持ってもらえればうれしい」と今後に期待した。

 「最近『神ってる』ことは?」と聞かれると、質問を想定していなかったのか、戸惑いつつ、延長10回1死満塁で左翼スタンドに放った、13日の日本代表強化試合・オランダ戦の満塁弾を挙げた。「1番は侍ジャパンの最終打席で満塁本塁打を打てたこと。『神ってる』し、(2016年の)最後の最後で流行語に選ばれたことも、めったにないことなので『神ってる』と思う」と照れ笑いを浮かべた。

 来年の抱負を聞かれると「(セ・リーグで)25年ぶりに優勝できたんですけど、日本一はできなかった。来年チームに貢献できるように野球をやっていきたいし、日本一を取れるようにしていきたい。今シーズン、温かい声援のおかげで活躍できました。来年、もっともっと苦しい試合が続くと思うので、ファンの方が応援してくれたら力になると思う」と、さらなる応援を呼び掛けていた。