プレーバック日刊スポーツ! 過去の1月16日付紙面を振り返ります。2007年の芸能面(東京版)はドラマ不振の中、主演作が高視聴率スタートをきって存在感を示したSMAP木村拓哉を報じたものでした。

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 14日放送の木村拓哉(34)主演のTBS系ドラマ「華麗なる一族」(日曜午後9時)初回視聴率が関東地区で平均27・7%(関西地区30・5%)を記録した。15日、ビデオリサーチの調べで分かった。木村の主演と豪華キャスト、セットの投入で注目されたが、1月スタートのドラマではNHK大河ドラマ「風林火山」の21・0%を6・7ポイント引き離し、注目度の高さを証明した。

 初回視聴率27・7%について木村は「皆さんに見ていただけたということで、ありがとうございます。今回、自分自身も強いやりがいを感じて、鉄平を日々演じております。ぜひ最後まで見ていただければと思います」とコメントした。

 これまでのTBS日曜劇場(日曜午後9時)の、初回視聴率は、00年「ビューティフルライフ」31・8%、03年「GOOD LUCK!」31・6%と2位までが木村主演作で、「華麗なる一族」は3位にランクされた。

 25%を軽く超えたとはいえ、30%に及ばない数字は木村主演作として平凡なスタートに見える。しかし、今期こそTBS「花より男子2」日本テレビ「ハケンの品格」など高数字を記録した番組もあるが、各局のドラマ不振は続いている。それだけに、大作にふさわしい豪華キャストと制作費を投入し、徹底した宣伝活動が結果として表れたことは、テレビ界には朗報かもしれない。

 ドラマは山崎豊子さんの同名小説を同局開局55周年企画として制作された。出演者は北大路欣也、鈴木京香、西田敏行ら若手ベテランとも「トップ級」をそろえた。舞台となる邸宅のリビングには、2000万円のペルシャジュータンや400万円のシャンデリアなどセットに総額3億円をかけた。60年代の神戸の街の様子は、中国・上海にあるオープンセットで約1週間のロケを行った。制作費は通常の約3倍になる。

 木村も宣伝に全面協力の姿勢だった。放送2日前の12日、早朝から深夜まで同局の情報番組5本に出演し、作品をPRした。通常は、1日に3番組、各5分程度のところを1番組あたり20~30分と、合計1時間50分も出演した。局も出演者も総力を挙げた末の好スタートだった。

 ◆作家山崎豊子さん(82)の話 本格的なドラマを作るんだなという意気込みが、初回の放送から感じられました。このような大型ドラマが生まれるのは本当に何年かに1度のことなので、作品への思いが非常に膨らんでいます。

※年齢や記録、表記は当時のもの