俳優向井理(35)の祖母、芦村朋子さんの半生記を映画化した「いつまた、君と」(深川栄洋監督、6月公開)の完成試写会が18日、都内で行われた。

 主演の尾野真千子(35)、自らの祖父役を演じた向井に加え、岸本加世子(56)成田偉心(20)とメインキャストが顔をそろえた。

 戦後、中国から帰国し、多くの苦難を乗り越えた文字通りのファミリー・ヒストリー。祖母のパソコンの中に手記を発見した向井が7年前に出版にこぎ着けた「何日君再来」が原作だ。

 岸本は「おばあさまの手記を7年掛けて映画化した向井君の情熱が今の映画界ではたいへんなこと。素晴らしいご夫婦のお話で、結婚できなかった私も来世ではあんな夫婦になりたいと思いました」とたたえた。

 尾野は「私の起用は向井君自身のオファーだと思い、その思いに応えようと懸命にやりました」。これを受けた向井は「いや、実はキャスティング権は放棄したんです。自分のおばあちゃんを誰がやるとか考えるの、ちょっと気持ち悪いじゃないですか。大人の人たちに決めていただいた結果が尾野さんだったんですよ」とはしごを外す形に。「本当はどう思っていたの?」と慌てる尾野に「思っていたイメージと違って3児の母役にはまっていました」と追認するひと幕も。

 原作名は37年、中国映画の主題歌としてヒットした歌のタイトルで、日本でもテレサ・テン、都はるみらに歌い継がれ、今作では高畑充希が担当している。