いよいよ現地時間22日に授賞式が迫っている第87回アカデミー賞。ノミネートされた映画も日本ではまだ未公開の作品が多いため、タイトルを聞いてもピンとこない…というようなひとも多いのでは?

 今回は、作品賞にノミネートされた映画をまとめてご紹介!

 ■アメリカン・スナイパー

 クリント・イーストウッド監督が、米軍史上最多160人を射殺した実在の人物クリス・カイルの半生を映画化。「伝説」と呼ばれていたスナイパーの活躍だけでなく、イラクへの遠征から帰還して心の傷に苦しみながらも、家族を大切にしようとする姿が描かれている。本作のために約18キロ増量した役作りが話題になったブラッドレイ・クーパーは、男優賞の受賞も有力視されている。(2月21日日本公開予定)

 ■バードマン

 あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

 ヒーロー映画「バードマン」で一世を風靡(ふうび)、その後落ちぶれた俳優がブロードウェイの舞台に挑む姿を、「バベル」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が描く。本作の特徴は、映画全編をワンカットで撮影したように見せているカメラワークだ。映画館にいながら、舞台を見ているような感覚になれるような演出は驚愕(きょうがく)。キャスト陣や監督が軒並みノミネートされているほか、撮影賞の受賞が有力視されている。(4月10日日本公開)

 ■6才のボクが、大人になるまで。

 6歳の少年メイソンとその家族の変遷の物語を、同じ主要キャストで12年に渡り撮り続けた画期的な制作手法で話題になった本作。家庭や学校のさりげない日常のひとこまを切り取ることで、少年の内面に渦巻く葛藤や悲しみを繊細に描写。前哨戦のゴールデングローブ賞作品賞を受賞したほか、「21世紀に公開された作品の中でも並外れた傑作の1本」とNYタイムズ紙に評されるなど、批評家の評価が非常に高く、アカデミー賞最有力と言われている。(2014年公開作品)

 ■グランド・ブダペスト・ホテル

 ヨーロッパ随一の格調高いホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」を舞台に、常連客の殺人事件と遺産争いに巻き込まれたコンシェルジュとベルボーイが繰り広げる冒険をコミカルに描いた本作。徹底した美意識で知られるウェス・アンダーソン監督が描く世界は、絵本のようにかわいらしく繊細。美術賞や衣装デザイン賞の受賞が有力視されている。(2014年公開作品)

 ■イミテーション・ゲーム

 エニグマと天才数学者の秘密

 世界最強の暗号“エニグマ”に挑んだ実在の天才数学者アラン・チューリングの数奇な人生を映画化。第2次世界大戦の勝利という困難なミッションを任されるものの、引きこもり気質で他人と協調することに苦悩する天才チューリングを熱演したベネディクト・カンバーバッチの演技は絶賛を浴びており、主演男優賞の受賞も期待されている。(3月13日日本公開)

 ■セルマ

 現在から50年前のアメリカ公民権運動最中の1965年、マーティン・ルーサー・キング牧師が黒人の投票権獲得のためにアラバマ州セルマで行った命がけのデモ行進を題材にした歴史ドラマ。構想から完成まで7年を要した本作は批評家たちから高い評価を受けており、米映画評集計サイト「Rotten

 Tomatoes」では「6才のボクが、大人になるまで。」と同率の98%というノミネート作品トップの高評価を獲得している。(日本公開未定)

 ■博士と彼女のセオリー

 “車椅子の天才物理学者”スティーヴン・ホーキング博士の半生と、彼を支え続けた妻との純愛を描く感動のヒューマン・ラブストーリー。徐々に身体中の筋肉が衰える難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)に侵されていく博士に扮(ふん)するエディ・レッドメインとその妻役のフェリシティ・ジョーンズの熱演は必見。それぞれの主演賞の受賞にも注目が集まっている。(3月13日日本公開)

 ■セッション

 長編監督2作目、弱冠29歳の新人監督デイミアン・チャゼルが、制作費約3億円で作り上げたダークホース作品が賞レースを席巻。ジャズドラマーになるために名門音楽大学に入学した青年がスパルタの伝説教師から受ける狂気のレッスンが描かれる。厳しいレッスンの果てに訪れるラスト9分の2人の演奏シーンは痛快にして、圧巻。映画史上に残る衝撃のシーンと称賛を浴びている。(4月17日日本公開)【ハリウッドニュース編集部】