リオデジャネイロ五輪は5日に開幕し、開会式で聖火台に点火する最終走者は、ブラジルの元マラソン選手で04年アテネ五輪の銅メダリストのバンデルレイ・デリマ氏(46)だった。

 階段を上って、鉢のような聖火台の前に着くと、トーチを大きく空に向かって掲げた。万雷の拍手と歓声に手を振り、点火。5月に始まり、約1万2000人の走者で約2万キロを引き継いだ聖火リレーの最後を締めくくった。

 火がともった聖火台はワイヤで上昇。太陽をモチーフにした円形のオブジェの中心で、輝きを放った。

 デリマ氏はアテネ五輪で、36キロ地点まで首位を快走も、沿道から飛び出した暴漢に襲われた。約10秒動けなくなり、ペースを乱されたが、銅メダルを獲得していた。

 聖火リレーのアンカーに有力視されていたサッカーの元ブラジル代表ペレ氏が、健康上の理由で断念していた。デリマ氏はこの日も“ハプニング”に屈せず、急きょの代役をまっとうした。