金藤理絵(27=Jaked)が2分20秒30で、金メダルを獲得した。同種目の金メダルは92年バルセロナ五輪の岩崎恭子以来、24年ぶり。36年ベルリン五輪の前畑秀子を含めて同種目3人目の金メダルとなった。12年ロンドン五輪で銀の鈴木聡美に続き、日本勢2大会連続の表彰台となった。

 まずまずの入りを見せ、100メートルのターンのあとトップに立った。得意の後半では、ぐんぐんと差を広げ、2位に大差をつけての圧勝だった。「今は信じられないですが、加藤コーチのことを信じ続けてやってきて良かった。タイムは出なかったけど、最低限の目標は達成できたので良かった」。

 金藤は、08年北京五輪同種目で7位入賞を果たしたが、12年ロンドン五輪は出場権を逃した。この4年は毎年引退危機と闘ってきた。世界選手権でも4度決勝に進みながらも、いずれも表彰台に上がることはできなかった。だが、多くの人に支えられ、今年2月の3カ国対抗戦では、高速水着時代の09年に自らが出した日本記録を7年ぶりに更新。4月の日本選手権でも2分19秒65で日本記録を再更新し、今季世界ランク1位で今大会に臨んでいた。「いろんなことがあった8年間でしたが、加藤コーチだけでなく、一緒に練習してきた仲間や戦ってきた仲間、加藤コーチの家族にまで支えてもらって、頂点を狙ってやってこれた」。8年ぶりの大舞台で大輪の花を咲かせた。

 ◆金藤理絵(かねとう・りえ)1988年(昭63)9月8日、広島・庄原市生まれ。三次高3年で総体優勝。東海大に進み、200メートル平泳ぎで08年北京五輪7位入賞。13年世界選手権4位、14年パンパシフィック選手権銀メダル、15年世界選手権6位。東海大大学院ではラグビー日本代表のリーチ・マイケルと同級生。女子サッカーのレジェンド澤穂希さんに似ていると言われている。リオ五輪では女子として初の競泳日本代表主将を務める。175センチ、64キロ。