<アジア大会・サッカー:日本4-1クウェート>◇男子1次リーグD組◇14日◇韓国・仁川

 アギーレジャパンが、U-21(21歳以下)日本代表MF大島僚太(21=川崎F)をリストアップしていることが明らかになった。日本協会スタッフによると、11月14、18日の日本代表の国際親善試合2戦に招集される可能性がある。大島はアジア大会1次リーグ初戦のクウェート戦にフル出場。前半43分に先制点を奪うなど、主将として4-1の快勝に貢献した。

 手倉森ジャパンの主将が、飛び級でA代表に招集される可能性が浮上した。日本協会が既に調査を始めており、川崎Fの試合映像を見たハビエル・アギーレ監督(55)も能力を認めているという。

 アジア大会の決勝が10月2日のため、同6日から新潟で始まるA代表の活動(10日ジャマイカ戦、14日ブラジル戦)への合流は現実的には難しい。日本協会スタッフは、11月の国際親善試合、14日ホンジュラス戦(豊田ス)と18日オーストラリア戦(長居)に招集される可能性があると示唆した。アギーレ監督は「11月の2試合で来年1月のアジア杯(オーストラリア大会)に参加する23人が決まる」と明言しており、呼ばれればアジア杯の最終テストとなる。選ばれればU-21代表世代からは新潟DF松原に続く選出となる。

 その大島は、招集への期待が膨らむ活躍をアジア大会の初戦で見せた。重苦しいムードが漂った0-0の前半43分、先制点を奪った。MF原川がゴール前に送った浮き球パスに反応。同じボランチの位置から走り込み、柔らかくトラップ。左前方の絶妙な位置に球を置くと、左足でゴール左ポストに当てて流し込んだ。ゴールだけでなく、簡単に取られないキープ力とパスワークも持ち味だ。

 大島の将来を“確約”するデータもある。「持ってる男」たちに肩を並べた。過去のアジア大会で日本の第1号を決めた選手には、94年広島大会のFW三浦知良、06年ドーハ大会のMF本田圭佑らがいる。23歳以下の年齢制限が設けられた02年釜山大会以降、登竜門の位置付けとなった大会。後にA代表の絶対的存在となるカズ、本田に続いた。

 川崎Fでは元日本代表の稲本を押しのけ昨季から定位置を離さない。MF中村から「うらやましい」と言われる才能で、アギーレジャパンで結果を出したMF柴崎(鹿島)やFW武藤(東京)とは同学年。早生まれのためリオ世代の一員となり、最年長の主将として今は若い世代を引っ張る。

 9日のベネズエラ戦は千葉県内で合宿中。宿舎で中継を見て、柴崎の国際Aマッチ初出場初ゴールに刺激を受けた。負けじとアジア大会で、攻め上がって先制弾。「走り始めた時、前が空いてるなと思った」と攻撃センスを見せた。まずはアジア大会2連覇と16年リオデジャネイロ五輪を目指すが、18年W杯ロシア大会のメンバー候補に入ってもおかしくない人材だ。【木下淳】

 ◆大島僚太(おおしま・りょうた)1993年(平5)1月23日、静岡県生まれ。静岡学園高3年時の10年度選手権3回戦敗退。11年に川崎F入りし同年5月7日神戸戦でJリーグデビュー。12年5月3日の磐田戦で初得点。J1今季23試合中20試合にスタメン出場。J1通算61試合3得点。168センチ、64キロ。