名古屋西野朗監督(60)は広島戦でひねり出した戦略でリーグ戦初勝利をもぎ取った。

 攻撃の時はDF田中マルクス闘莉王(33)を中心にした3バックで対応。一転守備に転じるとFW永井謙佑(26)をディフェンスラインにまで下げ5バックで対応。攻撃的な相手を完封した。

 攻守に渡りピッチを走り続けた永井は「監督からミキッチを止めてくれと言われていた。そこを意識しながら攻撃面にも参加した」と話した。マークした広島MFミキッチをシュート1本に抑え、攻撃では名古屋FW川又堅碁(25)の決勝ゴールをアシストする大活躍を見せた。

 西野監督は「永井は守備だけで終わるのではなく、攻撃的な中でミキッチを抑えてくれた。走るだけでなく、攻守に渡ってプレーをしてくれた」と、90分間アップダウンを繰り返したプレーを、走力のある永井にしか出来ないとたたえた。

 ただこれは広島用の作戦。「他チームもこの試合を情報分析してくるでしょうし、その上を考えたシフトなどもやっていかないといけない」と指揮官。次節18日清水戦で連勝するために1度頭をフラットな状態に戻し、新たな策を考えるとした。