G組の川崎フロンターレがアウェーで水原(韓国)を1-0で下し、1次リーグ突破に前進した。堅い守備ブロックを敷く相手に苦戦も後半3分、MF中村憲剛(36)のFKをDF奈良竜樹(23)が頭で合わせ先制。終盤は相手の猛攻を全員で体を張って守りきった。5月9日のホームで最下位のイースタン(香港)に勝てば、1次リーグ突破が決まる。

 川崎Fが、負けられない一戦で引き分け地獄から脱出した。0-0で迎えた後半3分、MF三好がペナルティーエリア右外で相手のハンドを誘い、FKを獲得。司令塔MF中村の上げたボールを、奈良が頭で合わせ先制。ロスタイムは相手の猛攻を受けたが、水原から16年に加入した守護神チョン・ソンリョンが好セーブし、虎の子の1点を守りきった。奈良は「勝たなければ次はない。割り切って攻撃的にいけていた」と振り返った。

 奈良にとってリベンジの勝利だ。3月1日ACL第2節・イースタン(香港)戦では、前半13分にレッドカードで一発退場。チームは10人で戦い、勝ち点1は手にしたが格下相手に痛い引き分けとなった。人生初の一発退場で「自分のサッカー史上、最悪な試合。でも、最悪な試合はいずれ、最高の試合になる。そこはしっかり糧にして頑張りたい」と気持ちを切り替えた。それから1カ月。「0に抑えることが僕の役目」と集中した守備を掲げてきた結果、自身の決勝弾での完封勝利で、悔しさを「最高の試合」に変えてみせた。鬼木監督は今季ACL初勝利に「選手も気持ちを出して戦ってくれた。いい勝利だった」と賛辞を贈った。