<J1:川崎F3-2鹿島>◇第10節◇3日◇等々力

 

 日本代表MF山岸が25歳の誕生日に、ようやく川崎Fの一員になった。鹿島戦で移籍後初を含む2アシストで、チームを3-2の逆転勝ちと今季初の3連勝に導いた。1-2の後半11分にMF中村のパスを受け、左サイドを突破しニアに走り込むFW鄭にパスを送り同点。30秒後の同12分には、左クロスをファーで待つMF中村の頭に合わせ、今季初弾をアシストした。

 今季は飛躍と優勝を目指し、初の移籍を決断。だが日本代表合宿が続き、チームのキャンプにほとんど合流できず連係を築けないまま開幕した。「新しいチームに入るのは本当に難しかった」と振り返る。それでも千葉で磨いたスタイルを変えなかった。「信じて走り続けた。無駄にならなかったことがうれしい」。

 同点アシストの起点となった中村も、代表合宿中から山岸にアドバイスを送り支え続けた。1点目のアシストは「ヤマ、あそこでチャレンジしろという気持ちで」(中村)出したパスから生まれた。試合後、スタンドに歩み寄ると、サポーターの用意した誕生日ケーキを鄭にぶつけられた。生クリームまみれになって「やっと一員になれた」と幸せそうにつぶやいた。【村上幸将】