北京五輪サッカー男子日本代表で唯一のゴールを挙げたFW豊田陽平(23=J2山形)が15日、チームの練習に復帰した後、天童市内で会見した。1次リーグ敗退のため、会心の笑顔はなかったが、個人のプレーでは自信を深めた様子。世界レベルを体感し、今後のリーグ戦に生かしていく意向を語った。16日の仙台戦(ユアスタ)はベンチ入りする見込みで、途中出場の可能性がある。

 10日のナイジェリア戦で1得点を挙げた豊田。「凱旋(がいせん)帰国」したはずだが、会見では伏し目がちな表情が続いた。

 豊田

 1次リーグで敗れて、みんな悔しがっていた。勝てない相手ではなかったので、非常に悔しい。

 ただ、23歳以下の精鋭が集った反町ジャパンのメンバーで、唯一の得点を挙げた実績は色あせない。

 豊田

 得点できたのは、自信になった。スピードではかなわない選手がいたけど、高さ(空中戦)ではやれるなと思った。最初の2戦はスタメンではなかったけど、途中出場でゴールを決められて良かった。

 3戦目のオランダ戦はフル出場し、計133分プレー。米国も含めた世界の強豪と戦った経験を、今後はリーグ戦で生かす。

 豊田

 体感した世界レベルを今後も忘れないようにしたい。相手DFがタイミング良く足を出してきたり、強くボディーコンタクトしてきたり…。(そういうプレーを意識して)自分のレベルを上げることを1つの目標にしたい。

 14日に帰国し、この日午前の練習に約1カ月ぶりに復帰した。居残り練習では強烈なシュートを連発した。16日の今季最後のみちのくダービー仙台戦では、ベンチ入りする見込みになった。

 豊田

 チャンスがあれば仙台戦に出たい。これからはJ2のリーグ戦に集中して、できるだけ多くの試合でプレーしたい。

 今季は右足骨折の影響もあり、9試合出場で2得点だけ。今節から始まる最終第3クールでは、J1昇格に導くゴールラッシュを狙う。【柴田寛人】