<天皇杯:ニューウェーブ北九州1-1(延長0-0、PK4-2)ホンダロック>◇14日◇1回戦◇レベスタ

 ニューウェーブ北九州(福岡)が、MFアラン(25)の来日初ゴールで延長に持ち込み、PK戦を制して初陣を飾った。アランは柏MFアレックスの双子の兄で、8月に加入。2度目の公式戦出場で、ホンダロック(宮崎)に先行され、10人で戦う苦境を救った。

 新しい波は、右サイドから起こった。後半41分、相手のパスをインターセプトしたアランが、ペナルティーエリアまでドリブルで駆け上がり、右足シュートで同点とした。九州リーグ所属だが、06年はJFLも経験したホンダロックにPKで先制され、後半11分に退場者を出す苦しい展開から、延長戦に持ち込んだ。120分でも決着がつかず突入したPK戦は、4人目で成功し、試合を締めた。

 アランは「初ゴールは本当にうれしい。この前の試合は、苦い経験だったから」と、喜びをかみしめた。JFLデビューの流経大戦(6日)は後半34分から出場しシュートなし。それでも「彼の爆発力、スピードで、何とかしてくれると思った」と2試合連続で途中投入した与那城ジョージ監督(57)の期待に応えた。

 同点弾の後も、PK戦でも、満面の笑みでゆりかごダンスを披露した。ブラジルに残して来たライネ夫人(23)が1日、第2子の長男マテウス君を出産した。弟の古巣、福岡のテストを受けるため6月に来日したが不合格。北九州の練習生となり、弟に毎日、電話で相談しながらチームに溶け込んだ。8月15日に選手登録にこぎつけ、来日3カ月で待望のゴールゲット。「家族のためにも、もっともっと走らないと」と活躍を誓うアランの横で、与那城監督もうなずいた。「この勝利を勢いにして、Jクラブと勝負したい」。三菱重工長崎との2回戦(20日、長崎)でも九州対決を制し、仙台との3回戦進出を目指す。【佐藤千晶】