<J2:山形1-0福岡>◇第39節◇5日◇NDスタ

 3位山形が、わずか1週間でJ1自動昇格枠の2位に再浮上した。FW豊田陽平(23)が、後半開始1分に先制点をゲット。その直後にMF財前宣之(31)が2度目の警告で退場を強いられたが、数的不利に耐え1-0で勝利。2敗2分けで終わった9月の低迷からはい上がり、5試合36日ぶりの白星を挙げた。前節に勝ち点1差で2~5位がひしめく混戦から抜け出し、悲願のJ1昇格へ1歩前進した。

 試合終了の笛。緊張から解き放たれた山形イレブンは、両手を天に突き上げ、抱き合った。財前が退場になった後の約45分間は、大半を守備に費やし、後半のシュート数は1対11。10人が一丸となって自陣に壁を築いた。DF園田は「後半は時間が長く感じた。1人少なかったけど、地元の応援があったおかげで乗り切れた」と感謝。サポーターに約2カ月ぶりのホーム白星をプレゼントした。

 豊田の先制ゴールが、イレブンに力を、勇気を与えた。後半開始直後。ゴール右でMF北村のパスを受けると、相手DFを背負いながら右方向にトラップして体を反転。左足でミドルシュートを突き刺した。春季キャンプから小林監督と居残り練習を繰り返し、習得した一連の体の動かし方。努力が実った瞬間だった。「9月は勝てなかったから、自分の得点で勝ちたかった。うまく入った」と2試合ぶりの得点を喜んだ。

 この一戦の重みを、誰もが分かっていた。勝つか引き分けでも再び2位に浮上できる。小林監督は「試合前に、あまり具体的なことは言わなかった。ただ『いい状況の中にいる。力を発揮しなきゃいけない』とだけ話した」と明かした。豊田の得点後、チームのシュート数はゼロ。カウンター攻撃が実らなくても集中力は切れず、10人の守備意識は最後まで乱れなかった。北村は「苦しい試合に勝てた。チームの勢いが付いて良かった」と安心した様子だった。

 12日の天皇杯3回戦(対日立栃木)をはさみ、次節は19日のアウェー岐阜戦。今季2連敗中の天敵に、小林監督も「岐阜は今日、大量得点(4-1水戸)で勝っている。厳しい戦いになる」と警鐘を鳴らす。残り6試合、このまま2位をキープすれば…。いや下位との対戦が中心になっても、手綱は緩めない。【柴田寛人】