J1残留争いをする磐田ハンス・オフト監督(61)が、師弟対決を制して降格圏からの脱出を狙う。8日、清水と「静岡ダービー」で対戦。オフト監督が日本代表監督時代に、選手として招集したことのある長谷川健太監督(43)と、互いに指揮官として激突する。現在、チームは自動降格圏の17位だが、勝って浮上のきっかけをつかむつもりだ。

 もはや「静岡ダービー」のお祭りムードはなくなっている。生きるか死ぬかのサバイバル。オフト監督は「我々にとってダービーではない。サバイバル。いや、それ以上だ。ここで生き残ることができれば、来年またダービーをやれる」。J2に降格すれば、来季の対戦はなくなる。J1残留しダービー存続のための一戦として位置づけた。

 オフトスタイル確立よりも、勝ち点上積みを狙う。前日練習ではポジションごとに選手を集め、細かい部分まで戦術を確認。「(就任から)2カ月でチームを完全に変えることはできない。限界を知りながらトライしていかないといけない」と、余念はない。かつて6年で3度の年間王者に輝いたチームが、今季は残留争いをしている。「(全盛期に比べ)今はすべての材料はそろっていない。だから、美しいサッカーよりも、勝ち点を取ること」と、愚直に結果を追求する。

 清水長谷川監督とは日本代表の監督と選手としての間柄だった。「個人プレーで強く、スピードがある。コンビネーションも持っていた」と、評価して招集していた。敵将を知り尽くした上で「彼の特徴が清水というチームにあらわれている。彼は守備は良くなかった」と、早くも口撃した。

 かつての教え子との対戦に、普段は紳士のオフト監督も「彼はいい人間で幸運を祈っているけど、それは今回を除いての話」と、闘志むきだしで言い切った。勝って他クラブの結果次第では、降格圏脱出の可能性もある。94年以来15年間続いた「静岡ダービー」存続のためにも、絶対に負けられない。【栗田成芳】