浦和の来季の監督に就任することが決定的なドイツ2部フライブルク元監督のフォルカー・フィンケ氏(60)が20日、来日した。「ドイツのオシム」とも評される名指導者は、黒のコート、ジーンズというカジュアルな格好で早朝の成田空港に降り立った。記者の質問には「ノーコメント。時期尚早だ」と一切、受け付けようとしなかったが、関係者の出迎えには柔らかな表情を浮かべていた。

 関係者によると今回は約10日間の滞在で、監督就任の打診を受けている浦和の藤口社長とも会談する予定。さらに現場に足を運ぶことを望んでいるといい、23日の浦和-清水戦をはじめ、26日の天皇杯磐田-G大阪戦、ユース年代の試合など5試合ほどの視察も希望。浦和以外の試合も精力的に見て回ることで日本のサッカー全体像をつかもうとしているようだ。サッカーだけではなく、住居など生活環境についてもチェックすることになりそうだ。

 今月上旬には浦和関係者と接触して選手リストも入手したもようで「予習」は着々と進められている。選手、監督としてドイツ一筋のフィンケ氏の来日には異国での成功への意欲が表れているといえそうだ。