<プレシーズンマッチ:鹿島4-0水戸>◇21日◇カシマ

 鹿島の大型新人FW大迫勇也(18)が、日本代表岡田武史監督(52)の眼前で「御前弾」を突き刺した。プレシーズンマッチのJ2水戸戦に後半から登場。3-0で迎えた後半ロスタイムに、約20メートルの豪快なミドルシュートを左足で決めた。目標の開幕浦和戦(3月7日、カシマスタジアム)でのベンチ入り、さらに将来の日本代表入りへ貴重なアピールとなった。

 その瞬間、ゴールへの道筋が見えた。後半ロスタイム。大迫はMF青木からのパスを受け、相手DF1人をかわして前進。鋭く左足を振り抜き、鮮やかなミドルシュートを突き刺した。「パスをもらった瞬間いけると思った。でもマグレなんで」と控えめだったが、視察していた岡田監督に確実なインパクトを与えていた。

 冷静だった。「(パスを受けて)最初は縦にいこうと思ったけど、相手DFがカバーに入ったので中に切れ込んだ」。プロ入り後、Jのチームとは初対決。後半から投入され、本拠地のサポーターから大きな「大迫コール」を浴びるのも初めての体験だったが、緊張することなく平常心を保った。

 岡田監督も「いいシュートだったね」と評価した。カシマスタジアムでの観戦時には通常、周辺の渋滞を嫌い試合終了前に席を立つが、この日は最後まで観戦。ロスタイムで大迫の一撃を目の当たりにした。「才能はあるけど、期待されすぎてつぶれた選手が多くいるから、(報道で)祭り上げないでね」。岡田監督らしい言い回しで、期待の高さを示した。

 依然として動き出しが遅いなど、大迫には課題は残る。だが、ストライカーの最大の「仕事」である得点を積み重ねている。鹿島の鈴木満強化部長は「何年かに1人の逸材だし、見ているとうれしくなる。ゼロックス杯(28日=G大阪戦)のベンチ入りもありうる。(代表FW)興梠も、うかうかしていられないと思う」と絶賛した。

 この日先発のマルキーニョス、興梠に加え、元代表の田代、若手の佐々木とFW陣の競争は厳しい。周囲の称賛にも、大迫自身は「もっとパスを要求して動き出しを早くしたい。まだまだだと思うので」と冷静だ。開幕まで残り2週間。実戦でゴールを奪い続けていくしかない。【菅家大輔】