<練習試合:山形3-1広島>◇25日◇シーガイアイベントスクエア(宮崎)

 モデルチェンジ中の山形の攻撃スタイルが、完成間近だ。J1山形が同じ昇格組の広島を3-1で下し、J1クラブに初めて勝利した。主力が出場した1本目は、MF古橋達弥(28)が約40メートルのドリブル突破から得点を決めるなど2-0。2本目はサブメンバーで1-0と、ベストメンバーの相手に3-0と完勝。ショートパスを多用して相手を崩す形を具現し、小林伸二監督(48)は「形になってきた」と評価した。

 めまぐるしくポジションチェンジを繰り返す。人も動けばボールも動く。細かいパスをつないで、敵陣にどんどん攻め上がった。1本目先発ツートップの古橋と財前にボールが入ると2列目、3列目の選手が瞬時にスペースへ動き、パスを受ける。さらに別の選手にボールがつながる。昨季はなかった攻撃パターンに、昨季J2優勝チームも明らかに戸惑っていた。

 バランスを崩す相手のスキを、見逃さなかった。1-0の1本目17分、ボールをつなぎながら自陣中央でボランチ秋葉が、飛び出すタイミングを計っていた古橋へパス。ハーフウエーラインを超えたところでボールを受けると、古橋はドリブルで40メートルを独走し、きっちり決めた。本来、自分たちがすべき攻撃を逆にやられた広島FW佐藤寿は「リーグ戦でボコボコにすればいい」と悔しがるほどだ。

 視察に訪れた日本協会の原強化技術委員長も「よくまとまっている。みんな思い切りもいいし楽しみ」と目を丸くした「ニュー山形」の攻撃スタイル。協会スタッフのほめ言葉に小林監督は「相手が疲れていただけだよ」と前置きした上で「でも中盤と前線の選手がやろうとしていることを理解してきた」と笑顔を浮かべた。

 カウンター攻撃だけでは戦えないと判断し、今キャンプで取り組んできた「J1仕様」の攻撃。ボールの受け手と出し手のタイミングを、口酸っぱく指導してきた。「少しずつ、形になり始めた」と笑みを浮かべる指揮官。リーグ戦開幕まで10日となったこの日の勝利。低い下馬評を覆そうと燃えるチームに「確信」の2文字が芽生えた。【山崎安昭】