J2降格濃厚な千葉が、ユース以下のコーチングスタッフの大量解雇に踏み切ったことが10月31日、分かった。同30日に下部組織のコーチングスタッフ18人のうち、11人を今季限りで解雇処分した。クラブ幹部が個人面談後に通達した。チーム関係者は「トップチームが活性化するには、ユースからの底上げが必要で、近年はまったく下部組織が機能していなかった」と説明した。

 名門復活のため最初に着手したのは、育成強化だった。10月に就任した神戸清雄強化アドバイザーは就任当初「ジェフがオシム時代に優勝を競えるようになったのは、トップチームが低迷していた90年代末にもユースがしっかり育ったから。あの時を思い出して、やり直さないといけない」と話していた。

 かつて千葉ユースはMF酒井、DF山口を始め、MF阿部と山岸ら多くの代表クラスの選手を輩出した。ユース出身の選手をトップチームで育て、他のクラブに移籍させて発生した移籍金を育成に再投資する、という育成と強化のバランスでクラブも成長してきた。しかし最近は03年にトップチームに昇格したMF工藤以来、J1で活躍する選手はいない。

 ユース(高校)、ジュニアユース(中学)、ジュニア(小学)と、下部組織で選手を育てるには時間がかかる。大量解雇で、チーム内で経営陣への不信感が生じているのは事実。それでも名門再建へ、重い第1歩を踏み出した。