<J1:鹿島2-1G大阪>◇第9節◇1日◇カシマ

 187センチの体が弓のようにしなり空中を舞うと、高い打点から豪快な一撃が突き刺さった。前半46分、鹿島MF野沢拓也(28)の右CKに、DF岩政大樹(28)は頭でどんぴしゃで合わせた。「決められてよかった。いいタイミングだった」。先制弾に右腕で力強くガッツポーズした。

 得点の予感はあった。この日の試合前まででリーグ戦は186試合23得点。「8試合に1点ペースなんで、そろそろかな」。今季9節目で待ちに待った得点に「守備で頑張っても、得点しないと空中戦が強くないと思われがちなので、取れてよかった」と話した。

 2月の東アジア選手権のあと、日本代表から外れているが「(南アフリカの)高地対策の専門書を読んで自分なりに勉強しています」という。「もし、僕が代表に呼ばれたら、求められるのは空中戦ではね返すこと」とイメージもできている。

 「過密日程の中、勝ち点3を取れたことは大きい」。代表発表を10日に控えながら、当然、チームの勝利が最優先。「この3~4年の自分の取り組みに誇りを持っている。それを今後も毎日やるだけ」。日々の積み重ねの先に代表の座があると信じている。【菅家大輔】