<J1:G大阪3-2C大阪>◇第23節◇18日◇万博

 14年W杯ブラジル大会を目指す若手が、ザックに猛アピールだ!

 日本代表のザッケローニ監督(57)が、G大阪-C大阪を視察した。ビザ取得後、事実上の初仕事となった指揮官の目の前で、G大阪MF宇佐美貴史(18)が大阪ダービーで先制ゴール。相手に競り勝ち4位へ浮上した。

 いきなりの先制パンチだ。試合開始1分40秒。宇佐美は、ルーカスからボールを受けると反転しながら右足で思い切りシュートを放った。先制弾が決まったのを確認すると、真っ先に西野監督の方へ走った。そして最後はスタンド上段から見守ったザッケローニ新監督の方へ、両腕を突き上げた。「見たか!」-。まるでそう訴えているかのような光景だった。

 高校3年でのA代表入りを、グイッと手繰り寄せた。ふてぶてしささえ感じる18歳は「いい形でルーカスがボールを出してくれた。代表に入るにはガンバで先発を張らないといけない。そういう意味では、代表監督へのアピールはもちろん、西野監督への一番のアピールになった」と胸を張った。10月の代表合宿に招集され、18歳155日で同8日のアルゼンチン戦に出場すれば、98年に17歳322日で国際Aマッチに出場した市川(清水)に次ぐ史上2位の年少記録になる。期待を膨らませるゴールだった。

 外国人選手に当たり負けしないフィジカルや、視野の広さなど課題は多い。この日も左太ももを負傷し後半5分に途中交代。だが、その分だけ「伸びしろ」があるのも事実だろう。宇佐美の確かな光が、新監督の脳裏に刻まれたのは間違いない。【益子浩一】