鹿島が伝統の4-4-2に、新たなオプションを加えてシーズンに乗り込む。19日、カシマスタジアムで水戸とプレシーズンマッチを行い、3-0で完勝。1-0のリードで迎えた後半スタートから、宮崎キャンプでも試した4-2-3-1システムを採用した。

 トップ下で起用されたMF本山を中心に、中盤が流動的な動きで相手を混乱させた。オリベイラ監督は「抱えている選手の能力を引き出すため。大きな欠点は見受けられず、非常によかった」と振り返った。

 後半4分、MF本山が右サイドのDF新井場にパス。新井場のクロスをFW興梠がヘディングでゴール。さらに同28分、再びMF本山が起点となり、最後はMF増田がヘディングで押し込んだ。その後も、MF遠藤、MF小谷野が両サイドのスペースに走り込み、次々にチャンスを作った。キャンプ期間中にオリベイラ監督は「いろんな幅を持っていれば」と初のACL制覇、リーグ王座奪還に向け新システムを模索。格下相手とはいえ手応えを得た。

 FW田代、大迫が足に張りを訴え、この日は大事を取った。前線の駒不足も不安に感じさせないほど、鹿島の新システムが機能した。【塩谷正人】