<J1:名古屋2-1磐田>◇第20節◇7日◇瑞穂陸
名古屋のU-22(22歳以下)日本代表FW永井謙佑(22)が待望のJ初ゴールを決めた。磐田戦の後半20分に途中出場し同28分にGK川口能活(35)から左足で冷静にゴールを奪った。名古屋入り後、リーグ15試合目の初得点が決勝点でチームはクラブ新記録の14戦負けなし。今日8日からの同代表合宿、9月に始まる五輪予選へ弾みがついた。
永井には見えた。左手の指す先に、初ゴールへの道筋がはっきり浮かんでいた。1-1の後半28分。中央のケネディに預け、混戦に走りながら手で示す。“ここにくれ!”。快足を生かし5歩で相手DFに先んじる。ここからが真骨頂。角度のない位置から前に出る名手・川口を見極め、利き足ではない左足の先でふわりと浮かした。
自ら「ちょこんシュートです(笑い)」と命名したように、軽く浮かしたボールはゆっくりと右サイドネットに吸い込まれた。チームメートにもみくちゃにされ、スタンドに高々と手を上げてこたえた。
永井
やっとっすね。GKが出てきてくれたんで、トンと打ちました。親も来ていたんで良かったです。
長かった。名古屋入団後はACLでは2得点を決めていた。だがリーグ15試合目、時間にして754分目でようやく生まれた1点は、ただの1点ではなかった。チームを逆転勝利に導く決勝弾。そして“親孝行弾”だった。この日は赴任先のブラジルから一時帰国中の父俊治さんと母千鶴子さんが、観戦した。明日9日にはブラジルに戻るため、この日がゴールを届けるラストチャンス。しっかりと間に合わせた。
13戦負けなしと好調のチームもピンチにあった。前日6日にGK楢崎がけがを負い離脱。苦境を1発で救った。これこそが、ストライカーに求められている仕事だ。遅まきながらの初ゴール手土産に、U-22代表合宿に参加する。「五輪予選に向け、しっかりチームワークを高めたい」。若きエースに、余韻に浸る暇はない。【八反誠】



