<J2:札幌1-0栃木>◇第27節◇11日◇札幌厚別

 来たぞ昇格圏!

 J2札幌が栃木に勝ち、07年以来4年ぶりの2位に浮上した。前半5分にFWジオゴ(28)がFKからヘディングで先制点を奪うと、DF陣が粘り強く守り、8月17日の千葉戦以来4試合ぶりの完封勝利。13勝4分け7敗で勝ち点を43に伸ばした。クラブでは早くも昇格への支障となる債務超過をクリアするための新財務プランも作成。4季ぶりJ1昇格へクラブ一丸で突き進む。

 ジオゴカラスがまた飛んだ。前半5分、DF岩沼俊介(23)のFKに頭から飛び込んだ。3日の水戸戦に続き移籍後初の2戦連発だ。苦手なヘディングでのゴールにも「練習でやってた形が出せた。でも練習ではうまくいかなかったが試合では、うまくいってしまうんだな、これが」と、ご満悦。石崎信弘監督(53)も「岩沼のボールも良かったしジオゴのシュートも素晴らしかった」と絶賛した。

 ジオゴは加入後6戦3発。起点となったものを含めれば8月14日富山戦の2得点や、前節水戸戦の砂川の決勝弾を含め6得点を演出してきた。好調の要因は「カラスパワーだよ」と打ち明けた。実はブラジルにはカラスはあまりいないという。ジオゴ自身も聖書の中の生き物と思っていたものが来日して初遭遇。感動してパフォーマンスに取り入れていた。この日も厚別公園のカラスが複数、上空を羽ばたいていた。日本では嫌われ者のイメージが強いが「あのカラスたちがサポートしてくれた」と、陽気に笑った。

 石崎体制初の昇格圏突入を受け、クラブも本格的に“準備”を始めた。Jリーグ内規では、J1昇格にはJ2で3位以内のほか、債務超過解消の道筋をつけることが条件となっている。予算では現在、約9700万円の債務超過状態。だが矢萩竹美社長(61)は「既にそれ(債務超過)を解消するためのプランを構築している」と話した。今月中に新財務プランをJリーグに提出し、10月にも審査を受ける方向だ。

 開幕の愛媛戦は0-2と完敗。スタートダッシュに失敗し誰もが09、10年に続く低迷を感じた。だが経験豊富な指揮官の“読み”が現実味を帯びてきた。「スタートから前に出て突っ走るのはなかなか難しいことなんじゃ。じわじわといくのがいいんだよ」。リーグは既に折り返し、残りは14試合となった。鉄人芳賀の長期離脱、外国人選手の入れ替え-。苦しんできた分、地力も付いてきている。【永野高輔】