<J1:清水2-1広島>◇第2節◇17日◇アウスタ

 清水は昨季2敗の広島を下した。前半、後半の早い時間帯にFWアレックス・ブロスケ(28)FW高木俊幸(20)がゴールを奪い今季初の勝ち点3を奪った。

 狙い通りのゴールが2度ネットに突き刺さった。前半9分。FWアレックスの猛烈なプレッシャーから相手GKのキックミスを誘うと、一気に広島ゴールに襲いかかった。DF吉田、FW大前とつなぎ、抜け出したMF河井がGKと交錯したこぼれ球を最後は、アレックスが押し込んだ。後半6分にも、最終ラインのDFヨンアピンから最前線の大前へ。大前からのクロスにFW高木が右足を振り抜き、強烈なシュートをたたき込んだ。

 いずれの得点もボールを奪ってからわずか数秒の出来事だった。ゴトビ監督は、試合後の会見で「我々の望んでいた展開。プラン通りだった」。アレックスも「この1週間やってきた通りの形で点を取れてよかった」と、今季チーム1号に笑みを浮かべた。広島は最終ラインを3人で構成。時間をかけると両サイドMFがDFラインまで下がり、5バックとなっていた。その傾向を見抜き、守備を固められる前に素早く仕掛けることは、戦前からのテーマだった。鮮やかに奪った用意周到な2発に、雨の中駆けつけた1万3231人のサポーターも大喜びだ。

 初戦の名古屋戦こそ敗れたが、ホーム開幕戦は白星で飾った。後半14分に、左膝の故障で開幕戦を欠場したFW高原が戦列復帰。同41分には、新加入のFWフランサもピッチに立った。主導権を握られた時間帯には河井をボランチに下げるなど、ゴトビマジックも健在だ。MF小野主将は「この勝利は良いステップになった。ここからです」。ゴトビ監督も「我々の未来は明るい。良くなるだけだ」と言った。戦力がそろえばマジックもパワーアップ。チームが掲げる「ワンミッション」にワンステップを刻んだ。【前田和哉】