<ACL:東京3-0北京国安>◇1次リーグF組◇17日◇味スタ

 F組でACL初出場の天皇杯覇者・東京がホームで北京国安(中国)に快勝した。前半7分にFW渡辺千真(25)が先制ヘッドを決めると、同46分にMF大竹洋平(22)が2点目のヘッド。後半12分にも途中出場のMF谷沢達也(27)が3点目を決め、相手を圧倒。勝ち点8として首位を守った。第5戦で引き分け以上なら1次リーグ突破が決まる。

 前半7分だった。MF石川が蹴り入れたFKに、ゴール前にいたFW渡辺が反応する。相手DFのガードをかいくぐり、ヘディングシュートを放つと右ポストに当たった。「外れていくんじゃないかと思った」。ゴール外にはじき出されそうな弾道に、危機感が加わっていた。回転が加わったボールは角度を変え、ゴール左へ吸い込まれた。先制弾は苦しんだストライカーの遅めの開花宣言だった。

 グラウンドの選手たちが驚く。「普段あの位置にいるのがアーリア(長谷川)だったりするんで、みんな『なんで?』って。自然の流れでしたけど」と笑う。火が付くと、止まらない。渡辺は同46分には縦パスを受けゴールを狙ったが相手DFに当たる。だが左サイドから上がったMF大竹がヘッドで決め2点目をアシスト。3-0快勝の立役者となった。

 横浜から移籍した1年目だが、順風満帆ではなかった。2月のキャンプからFWルーカスとの2トップでトレーニングを重ねてきたが、3月3日の初公式戦では1トップの陣容でベンチスタート。練習でも控え組でプレーすることが多々あった。これでACLは全戦先発出場しているが、リーグ戦では今季先発はない。「もう(ACL先発)4試合目ですからね。ここで決めないとまずいと思っていた」。国見高の先輩でもあるFW平山も状態を上げてきている。土俵際の心境だった。

 ゴール前の嗅覚を信じ続けた。「与えられた時間でやるしかない」と思いが爆発した。チームは勝ち点を8とし、次戦5月2日のブリスベーン戦(国立)で引き分け以上なら決勝トーナメント進出が決まる。09年J新人王が、アジアのゴールを揺らし続ける。【今井貴久】