天皇杯準決勝が今日29日に行われる。国立で横浜と対戦する柏は、17人で決勝進出を目指す。チームの主軸であるMFレアンドロ・ドミンゲス(29)ら3人を出場停止で欠き、さらに故障者もいて、ベンチ入りメンバーは規定より1人少ない6人。それでも優勝で得られるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権へ、チーム一丸で戦う。

 人数は足りないかもしれない。しかし、気合は十分だ。柏は寒風が吹く柏市内の練習場で準決勝に向けた調整を行った。

 練習後、ネルシーニョ監督は「17人を連れていく」と明かした。本来、先発とベンチ入り7人を合わせた18人が試合メンバー。しかし、MFレアンドロ・ドミンゲス、DF橋本、MF茨田が3人同時に出場停止。ケガで離脱しているDFクォン・ハンジン、既に帰国しているFWネットを除く全選手を試合メンバーに入れても、1人足りない状況になってしまった。

 それでも、柏には勢いがある。24日に行われた準々決勝大宮戦では、前半に2失点を喫した。しかし、後半に一気に3得点を奪って逆転勝ちを収めた。後半ロスタイムに逆転弾を決めたFW工藤は、「大宮戦での勝利を無駄にしないために、どんなスコアでも勝てればいい。(リーグ終盤で)好調だった大宮に勝てたことで、自信にもなった。1-0でも勝ちたい」と話した。

 決勝まで進めば、今回の出場停止選手も戻ってくる。天皇杯初優勝を飾れば、リーグ戦最終節で敗れ、届かなかったACL出場権も手にする。「もう1度、ACLの舞台に帰りたい」。強い思いを胸に、国立に向かう。【保坂恭子】