<J1:新潟1-2広島>◇第2節◇9日◇東北電ス

 初勝利の代償は大きかった。昨季王者・広島が、後半30分にMF石原直樹(28)の右足オーバーヘッド、同39分にはDF千葉和彦(27)のヘッドと、セットプレーから2得点し、新潟に勝った。しかし、エースFW佐藤寿人主将(30)が後半30分、右内転筋痛で自らサインを出して交代するアクシデントに見舞われた。13日にはアウェーで、ACL第2戦の北京国安戦を控えているが、出場は厳しく、その後のリーグ戦に響く可能性もある。

 ベンチに向けてバツサインを出した。後半30分、昨季得点王でMVPの佐藤が、右足を気にしながらベンチに退いた。すぐさま、氷で右足付け根を冷やし、試合後は患部をぐるぐる巻きでがっちり固め、移動バスに乗り込んだ。

 サッカー人生初のアクシデントだ。今まで、筋肉系の負傷は経験がない。「後半、何回か、足が滑って右足内転筋が気になっていた。それでもやっていたけれど、痛くなったので、自分で判断して交代した。筋肉のケガはしたことがないので、どうなるか分からない。次のACLは厳しいかもしれません」。11日には精密検査を受ける予定。欠場が北京国安戦だけにとどまればいいが、その後のリーグ戦まで影響するなら、連覇は難しい。

 今季2戦目で初勝利を挙げたものの、内容は伴わなかった。前半21分に相手が退場となり、数的有利になりながらも攻めきれない。後半、疲れがみえた相手の隙を突いて、セットプレーで2得点し逃げ切ったが、理想とするサッカーとはほど遠かった。森保監督は「内容はともかく、勝ったことが大きい。流れの中で相手を崩すとか、クオリティーを上げていかないと」と、初勝利にも表情は晴れなかった。

 我慢の時期だ。昨季の初優勝で自信を付けたが、気持ちが前面に出過ぎて、冷静さを欠くことが目立つ。ハーフタイムには監督から「冷静に!

 我慢しろ!」の声が何度も飛んだという。同監督は「開幕戦もそうだし、気持ちのコントロールをうまくしていかないと」と話した。

 大きな代償を払い、やっと収めた初勝利。1アシスト1得点の千葉は「2点とも、あの場面だけは冷静に周りが見えた」という。広島が、苦しい中でも、わずかながら前進した。【盧載鎭】