<J1:新潟2-1川崎F>◇第22節◇24日◇東北電ス

 新進気鋭の新潟FW川又堅碁(23)が、2戦連発でチームに3戦ぶりの勝利をもたらした。今季リーグ戦13点目となる同点弾に加え、決勝点の起点にもなり「3試合ぶりに勝てたことが大きい。自信にもなるし、これを続けていくことが大事」と笑みを浮かべた。

 ストライカーの嗅覚が凝縮された同点ゴールだった。1点を追う後半27分、FW岡本のヘッドを相手GKがはじいたボールに反応。冷静に頭で押し込んだ。「どこにこぼれるか分からなかったけど、自分のところに来た」。直後の同29分には巧みなワンツーで岡本の逆転弾を演出した。

 昨季、期限付き移籍していたJ2岡山で18得点を挙げ、今季から新潟に復帰。瞬く間に得点を量産している。堅碁の「碁」は囲碁の競技性から「先を見通せる人になってほしい」という願いを親が込めて付けた。その字のごとく、同点弾はこぼれ球に誰よりも速く詰め、決勝点は岡本の動きを読み、あうんの呼吸で出したパスが生み出した。

 懐の深さを生かしたキープ、高さ、そしてゴールをかぎ分ける感覚は注目に値する。「次も得点を目指すけど、取れる時は取れるし、取れない時は取れない。チームが勝つことが大事」。浮かれることなく、得点を積み重ねれば、「日本代表」という上の舞台も見えてくる。【菅家大輔】