<J1:仙台0-0横浜>◇第27節◇28日◇ユアスタ

 ボンバーが被災地への思いも胸に、東北のピッチで仁王立ちした。首位横浜は仙台とスコアレスドローに終わり、勝ち点1を積み上げた。センターバックのDF中沢佑二(35)が好守を見せて、許したCKはわずか1本に抑えるなど、仙台の攻撃を封じ込めた。

 相手の2トップ左は、同世代のFW柳沢。中沢は体を寄せて激しくプレッシャーをかけ、シュートを打たせなかった。ともに日本代表として06年のドイツW杯を戦った盟友との対決に「燃えましたよ。(仙台が)ヤナギを使って取ろうという雰囲気があったから、そこはつぶしとかないと」とドヤ顔で振り返った。後半27分には目の前のMF梁のクロスを頭でクリア。左内転筋痛のFWマルキーニョス、累積警告のFW斎藤が不在の中でのゼロ封に「最低限の仕事。得失点差がシーズンの最後に響いたりする」と振り返った。

 チームは今日29日午前、東日本大震災で被害を受けた宮城・東松島市を訪問する。個人的に復興支援を続けている中沢は「いろんな町に行くことが大事」と、午後には1人で七ケ浜町も訪れ、農作業を手伝う予定だ。東北の笑顔を力に変え、9年ぶりの優勝へ突き進む。【由本裕貴】