<J1東京1-2:C大阪>◇第31節◇10日◇味スタ

 ゴールからゴールへ、105メートルに及ぶピッチをボールが横切った。後半42分。前線にいたC大阪FW柿谷曜一朗(23)は、ボールを持つGKキムと目があった。アイコンタクトを合図に蹴られたロングボールはぐんぐん伸びる。手薄の敵陣で半身になって体勢を整えた。凝視した視線をボールから外したのは2度だけ。落下地点を見届けると前方のスペースを確認。2度目はボールが弾んでいる間に、猛然と飛びかかる東京GK権田をとらえた。

 「ゴン(権田)ちゃんが出てきてた。あそこが一番入るかなと思って」。バウンドに合わせて蹴り込んだシュートは、またの下を通って決勝点となった。「誰もあそこまで(キムの)キックが飛ぶとは思わない。でも僕は知っていたんで。練習からあの形狙っていた」とニヤリ。これで今季通算18得点目で、元日本代表FW森島氏が持つクラブ日本人のタイ記録。ナビスコ杯決勝による中断期間、都内のイベント後に言っていた。「西沢さんの15点は超えられた。今度は森島さんの18点を超えられるようにしたい」。まずは肩を並べた。

 昨オフにニュルンベルクからオファーが届き、悩んでいると森島氏の自宅に招待された。「8番をつけてほしい」と、あこがれた同氏からエースナンバーを託され残留を決意した。「8番つけると決まってから、結果がどうあれやり通すと決めていた。(海外は)1年やってみてから」。スタンドでは日本代表ザッケローニ監督が視察。御前試合は今季5戦3発だ。優勝の可能性を残して、今日から欧州遠征に向かう。「どれだけやれるか、個人としても楽しみ」。気持ちよく出陣する。【栗田成芳】