<J1:仙台4-2浦和>◇第28節◇18日◇ユアスタ

 仙台が仕掛けた「西川包囲網」が決まり、首位から勝ち点3を奪った。2-2の後半16分、FW赤嶺真吾(30)が浦和の日本代表GK西川へのバックパスを追いかけた。西川が右足でトラップした瞬間、スピードを上げてスライディング。ボールは胸に当たってゴールに吸い込まれた。2戦連続決勝ゴールの赤嶺は「左利きなので持ち替えると思っていた」と胸を張った。

 代表守護神のミスを誘ったのは、赤嶺の動きだけではなかった。西川からのボールを受けに下がったDF2人を、右MFの太田とボランチのMF梁が背後からマーク。さらに、バックパスを出したDF那須にもFWウイルソンが近づいていた。4人が連動してパスコースを消したことで、西川に「赤嶺をかわす」という選択肢しか与えなかった。

 浦和を意気消沈させた決勝点は、入念な準備の成果だった。渡辺監督は「浦和はGKと最終ラインから攻撃を組み立ててくる。その起点にふたをする守備を練習してきた」。試合前1週間を浦和対策に費やし、常に一瞬の隙を狙っていた。最高の形でゴールが生まれ、指揮官は「後ろも連動していたし、チームで取れたゴール」とうなずいた。5連敗後、上位相手に3戦負けなしで5月以来の連勝。相手の嫌がるプレーを続け、泥臭く戦う仙台が戻ってきた。【鹿野雄太】