男子1万メートルでロンドン五輪金メダリストのモー・ファラー(32=英国)が26分50秒97の今季世界最高で優勝した。

 中盤以降はファラーと、日本の九電工に在籍するポール・タヌイ(24=ケニア)が交互にレースを引っ張る展開に。残り2周でタヌイが仕掛けるがファラーは動じず、残り350メートルで前に出ると、最後の直線でさらに加速して快勝した。

 2位のタヌイも26分51秒86と、今季世界2位の好タイムだった。

 大迫傑(Nike ORPJT)は16位で27分45秒24。前半は第2集団の日本記録更新ペースに加わったが、後半で徐々にペースダウンした。北京世界陸上参加標準記録の27分45秒00にも、わずかに届かなかった。

 女子走り幅跳びではティアナ・バートレッタ(29=米国)が7メートル11の今季世界最高で優勝。ゴールデングランプリ川崎、ダイヤモンドリーグ第1戦ドーハ大会に続き3連勝を飾った。

◆今季の男子1万メートル

 ファラー、タヌイ、ジョフリー・カムウォロル(22=ケニア)と、今大会の1~3位の3人が26分台を出している。まだレース自体が多く行われていないが、ファラーは武器であるラストスパートをプレフォンテインクラシックでも存分に発揮していた。ロンドン五輪、一昨年のモスクワ世界陸上に続き、今夏の北京世界陸上で3連覇を達成する可能性は高い。

 ファラーにラスト勝負で対抗できるのはイブラヒム・ジェイラン(25)らのエチオピア勢だが、今季はまだ1万メートルに出場していない。

 注目はカムウォロルで、トラックの実績はあまりないが、昨年の世界ハーフマラソン選手権(21・0975キロ)、今年の世界クロスカントリー選手権(12・0キロ)と2つの世界タイトルを獲得している選手。トラックに集中したら、大きく記録を伸ばす可能性がある。